中国帝王図:感想 [タイトル:た行]
田中芳樹ほか 『中国帝王図』, 講談社
中国史初心者にもやさしい、つまみ食い的なミニ図鑑。大人向けというより、中高生が読めば、中国史に興味をもってくれて良いかもしれない。
田中芳樹、井上 祐美子、狩野 あざみ、 赤坂 好美らが各帝王の記事を分担して書いている。皇名月さんのイラストが美しく、分量的にも厚くなく、軽めの文庫で読みやすい。
(※皇名月:中国王朝ものに定評がある漫画家。『梁山伯と祝英台 』は良作。)
これを入り口に、興味を持った人物の歴史や小説を探索してみると読書は広がる。
気になる時代、人物が登場する本を手にとってみては。
中国歴史小説では、田中芳樹、陳舜臣、宮城谷昌光ら(読破のハードルが低い順)の本がおすすめ。
後漢の光武帝 劉秀
「人は足ることを知らずして苦しむ。既に隴を得てまた蜀を望むなり。ひとたび兵を発することに、頭髪為に白し」
千古の名文というべきであろう。天下統一を目前とした劉秀が、二十八将のひとり岑彭に送った親書の一節である。(講談社文庫版, p.86)