新編 悪魔の辞典:感想 [タイトル:あ行]
アンブローズ・ビアス 『新編 悪魔の辞典』, 岩波書店
暇つぶしにぴったりの一冊。単語集の構成なので、通読せずに、ぱらぱらめくって、気になった語を読んでみても良し。『筒井版 悪魔の辞典〈完全補注〉上・下』もあるが、こちらは作家・筒井康隆によるまさに「筒井版」。まずはシンプルに岩波版(西川訳には難もあるが)をいかが。
19世紀後半~20世紀初頭のジャーナリストだったビアスが、ありふれた言葉を、風刺に満ちた解釈で説明している。
皮肉と冷笑をもって、痛烈に一言。
斜に構えた態度を面白く思える(もしくは苦笑で済ませられる)なら、気にいった語を人に紹介したくなるだろう。
私のお気に入りは、「合理的な(rational)」と「無学者(ignoramus)」。
ただし、真面目すぎる人にはお薦めできない。
また、女性に対する表現がかなり辛辣なので、フェミニストの方も怒るかもしれない。少なくとも私には、ビアスとは友達になれそうにない、と思える。
あくまで、冗談の一種だと思える人だけどうぞ、お楽しみください。